[コメント] デカローグ(1988/ポーランド)
映画を見終った人むけのレビューです。
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第一話。この男の子がめちゃくちゃかわいいものだから、ラスト近くは辛くってたまらない。画作りは巧い。冒頭に、結末の断片を挿入してくるのは彼の得意技なんだろうが、観客の不安を煽る巧い編集だと思います。
第二話。特筆すべきことが無い。なんとも暗い話、って、このシリーズは全部暗いお話なのかな?
第三話。クリスマスイヴのお話、と知らずにイヴに一人で見たわけだが。。。おかげで、ヒロインのおばさんにとても共感できたよ。確かに一人で過ごすには辛い夜かも知れない。何を求めるでもなく、ただ誰かといたい、という時に昔の恋人しか思い浮かばない暮らしは辛いよな。
第四話。冒頭から影を巧く利用した画が続く。近親相姦とはまた重いテーマだ。主役の女の子が奇麗。この話に限ったことでは無いが、余り直接に見せない語らないことによって、逆により多くを見せ語ることができることを、キエシロフスキーは良く分かっていたと思う。
第五話。キエシロフスキーの描いた殺人は、政府によるシステムによる殺人(死刑)についてだったのね。いささかファナティックな死刑執行の描きかたから察するに、彼は死刑制度に反対だったろうと思う。しかし、主人公の殺人の動機がさっぱり分からない。衝動的な殺人に、動機など無いのだろうか?殺される方はたまったものではない。殺害されるタクシーの運ちゃんが、ちょっとマーロン・ブランド似。映像に関しては、フィルターの使い方がいささかわずらわしかった。
第六話。青年の純粋さと女性の冷めた態度の対比が、覗き行為を正当化してしまうような錯覚に陥らせるところが悪魔的だが、にも関わらず、描かれる切なさは本物だ。ありえない設定の元に描かれたすれ違いは、人間関係の不毛さをうつしだしていたと思う。いずれにせよ、覗きはいけません。それは確か。
第七話。またまた暗い、複雑な家庭のエピソード。割と平凡な作り。ヒロインの女優さんが不思議な顔をしてらっしゃる。
第八話。このばぁさんの頬ぴくぴくの演技がいやに目に付いた。
第九話。やっぱり夜の営みが無いと駄目なのね。。。患者の女の子がなかなかかわいい。しかし、間男、軽薄そうな奴だな。
第十話。あ、トリコロール白の人だ。面白い。こういう欲深さって誰もが持ってると思う。庶民が大金手にすると恐いよ、という教訓の寓話か。
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