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[コメント] 穴(2001/英)

映画としてはリズ役ソーラ・バーチがリズの異常な心理状態を巧みに表現していて興味深かったが最後の最後になってストーリー上の詰めの甘さで一気に不満の残る映画になってしまった。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







防空壕に閉じ込められ、唯一助かった少女が語る事件のあらましを描いた映画。

愛する人を密室に閉じ込め、自分の物にしようとするため、他人の犠牲をなんとも思わない自己中心的で冷酷な女性リズの姿はある種『ミザリー』を彷彿とさせる。 終盤までは鍵を持っていながら、相手の気を自分に引きつけさせるために、時間が経過し、友人たちが苦しむ中で、相手との距離が縮まっていくことに次第に喜びを感じているリズの異常な心理状態をソーラ・バーチが巧みに表現していて興味深かったが、最後の最後になってストーリー上の詰めの甘さで一気に不満の残る映画になってしまった。

それは、リズの証言で警察に疑われたマーティンが防空壕の鍵を持って川で死体となって発見されるのだが、この事件の処理が警察の自殺の一言であっさり片づけられている点。リズが自殺に見せかけて彼を殺し、鍵を持たせたと推理も出来るが、彼とリズが出会ったのは彼女にとっては偶発的なものだし、凶器も何もない状態で、男のマーティンを自殺に見せかけるほど抵抗なくどうやって殺したかと言うところ。橋から川に落とすと行っても、ほとんど高さはないし、実質、殺人がはじめての彼女にはどう考えても無理。

また、マーティンの死体に鍵を持たせた点についても、逆に彼が自殺ではない証拠になるのではないか。彼が犯人なら、4人を閉じ込めた後、旅行へ行った段階で証拠となる鍵は処分するわけで、持っていること自体不自然。

さらに防空壕で精神科医フィリッパにリズがすべての真実を語った後、後からきた刑事を利用してリズがフィリッパを陥れようとするのだが、リズは自分しか知り得ない事実を散々、フィリッパに話してるわけだから、仮に証拠がなくても、逮捕されるのは避けられない気がする。

このあたりは、最後にリズのしたたかさを出そうとした演出なのだろうが、リズは元々は偏執的で臆病、自己中心的という性格であっても、悪賢い犯罪者というキャラではないので、あまりコロコロとキャラを変えて欲しくなかったところ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)kaki[*] ゆーこ and One thing[*] 奈美 sawa:38[*]

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