[コメント] 木曜組曲(2002/日)
ここにある「食」が人間関係の潤滑油であるのは分かるけど、それが「映画」の本筋でどのように機能しているかというと・・・謎。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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かろうじて「食」と「毒殺」で繋がってるだけのような。互いに腹の探り合いをしながらも、毎年のように必ずみんなで集まる理由が贅沢な食卓を囲むためとは言っても、芸術家の苦悩というこのミステリーの本筋から見たら、「一体何の関係が?」みたいな取ってつけたものにしか思えない。
「少なくとも食べてる間は・・・」と言いつつ、食事のシーンになると意識的にガラっとトーンが変わる。それぞれの女優の屈託のない食いっぷりは見ていて楽しいかもしれないけど、その意図的なギャップはヘタすると何やら「食品、調味料関係のコマーシャルかこれは?」という錯覚すら覚える。鈴木京香や富田靖子といったキャスティングも手伝って。
「食べること」って本来無防備な行為で、それ故に人間の本性が見え隠れするもの、とはよく言われる。箸やフォーク、スプーンの使い方。食器の扱い方、弄び方や咀嚼のし方から、その人の性癖や人間性が透けて見えたり、箸の伸びるトコロから嗜好が見えてきたり。そういった細かい演出がミステリーの伏線として有機的に絡んでいったら、もっと面白いくなったのでは、なんて思う。ここにある「食」の演出は、如何に料理を美味そうに見せるか、食卓を魅力的に見せるか、のみ。このテの雰囲気はキライじゃないだけに、少々残念かな。
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