[コメント] 燈台(1959/日)
原作に大胆な脚色や微妙な変更点を加え、かつ演出や役者選びに趣向を凝らすことで、更にキチガイなやばい作品に仕上がっている。ぐるんぐるんと振り回されるカメラと突然のロンドンデリーやカンカン娘だけでも、軽々と「もと」を越えてしまっているような。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「みんなキチガイよ!」
けれども(映画においてはなぜか)普通に時が流れたことになっているようで、それがいっそう「空白の時間」についての想像をかきたてられ、原作よりもずっとザワザワとしたものが心に残る。
ジャズやシャンソンを原語で歌わせなかったのも大正解だと思う。きれいにまとまってしまいそうな場面をあえて大衆歌を用いぶち切れた場面に仕立て上げたことで、また、小道具へのこだわりなどから戦後の影をより強く投じさせたことで、ただの心理サスペンスに妖しい他の要素まで加わっている。
まさにこれは、ある種の「百物語」だったのではないか、と思わされるほど。
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