電話ボックス内で脅迫される男のサスペンス映画｡

ほぼ全編､電話ボックスとその周辺でストーリーが展開され､高い位置からの映像がテレビの中継のようでリアルタイムかつ緊迫感のある雰囲気を演出している｡

この作品のストーリーで優れているのは､スチュの狼狽ぶりを描く一方で脅迫犯側の焦りや動揺も描いているところである｡

脅迫犯は恐らく前に殺した人間のようにスチュも自分かわいさの行動を取るだろうと思っていたのだが､意外にもスチュがまわりの人を傷つけまいと必死になるいい人であったため､いろいろと無理難題を強要するものの､殺すきっかけがなく次第に手詰まりとなって追い込まれていく様子が声の演技だけで伝わってきて面白い｡

ただ､スチュはいい人過ぎるので､現場にスチュの妻ケリーとパメラが現れても三角関係的なドラマにも発展せず､少々物足りない面も｡