コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] SWAT(2003/米)

なんだこれは。まだ『プライベートライアン』の精鋭達を主人公にした方が面白いんじゃないのか? 2003年10月3日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







個々の役割がハッキリしていない。こういう特殊部隊を主体に置くなら、やはりその隊の中の役割をはっきりさせなければ映画的に面白くはならないだろう。実際の所はどうか知らないが、役割によって装備を分けるシーン等々も入れてくれると俺的には嬉しい。

映画としてはまぁまぁの出来栄え。しかし、「LA全てを敵に回す」と宣伝しておいて、何も起きない(序盤に軽くロケットランチャーで吹っ飛ばす・・・って、何で市民がそんなもんを!?)展開は如何なものだろうか。結局、元隊員グループとの攻防に終始する展開には多少嫌気がした。

まぁこれは宣伝戦略に騙された俺のせいでもあるので百歩譲って許せるが、市民がAk−47やロケットランチャーを軽々と使いこなし(お前ら市民じゃなくてテロリストだろ?)、しかもフルオートで射撃し続ける。弾切れを知らないかの様に(基本的に、一般市民等に販売される銃器類は所持する為には許可が必要だし、殺傷力が強過ぎる為、フルート射撃はできないようにしてある(まぁ改造すればどうにでもなるのだが))。

まぁ、あれは恐らく一億ドル目当てのロス市民じゃなくて、犯人グループの一味なんだろうけどね。けど、冒頭の銀行強盗が使用していたAK−47にドラムマガジン装備は許せない!LAでの犯罪はテロしかないのか!?と思うほど重装備。LAに行く時には注意しよう。それにしても、あの冒頭の弾丸数。弾痕だけ見ても相当の数だったし、他にも思ったのだが、SWAT隊員がマガジンチェンジしてるシーンがあまり見られないんだよなぁ。特にM4(自動小銃)の弾補充なんて皆無に等しかった気がするのだが、この映画、やっぱり弾無いんだろ?つーかあれだけフルオートで撃ちまくれば数秒で弾切れるがな。

余談だが、アメリカ軍では新平にはバースト射撃(トリガーを引き続けても三連射しか出ない)しかできないモノが支給されるそうです。それは、フルオートで撃ち続けると反動で正確な射撃ができない上に、動揺してフルオートで撃ち続けて弾切れしてしまうのを未然に防ぐ為の処置だそうです。SWATに関しては知りませんが、どちらにしろ、ドラムマガジンつけて無い限り劇中のようにいつまでもマガジン交換無しに乱射なんて到底無理です。さらに、冒頭の武装銀行強盗集団はドラムマガジンつけてたけど、あれだけ撃ち続けたら銃身が熱くなりすぎてヤバイんじゃないのか?とも思いますが。

話としては割と演出も上手いし、テンポも良いので娯楽作としては標準ではあった。火薬量も派手に使いすぎず、程よく派手に使用しているし、マッチョのあんちゃんが銃器振り回してプロフェッショナルに闘う姿は、そりゃ(特殊部隊好きな俺から見れば)無敵の『コマンドー』シュルツネッガーに匹敵するカッコ良さですさ。

だけど、面子が悪い。ミシェル・ロドリゲスの影の薄さといったら酷すぎる。彼女にはもっと暴れて欲しかったのに、監督は彼女の過去の作品と彼女の魅力を理解していないのだろうか・・・・。それに、他の隊員達も影が薄い。正直、あんなに良い俳優起用しなくても十分撮れたのではないのか、と思うほど個々の役割、個性がはっきりしない。主人公すらも何かふらふらして、はっきりした個性が見られないので非常に残念。『プライベート・ライアン』の中隊に比べれば映画的には遥かに劣る。

やはり狙撃手が渋くワンショット・ワンキルを決めたと思ったらデカイ体の男が重機関銃で乱射、リーダーのポーカーフェイスで冷静な支持出し、サブリーダーの影での活躍、新米の無謀な戦術、等々やってくれないと映画的に映えない。SWATチームと言うのは訓練されたプロフェッショナル集団。こんな魅力ある奴らを主役においておいて「アクション大作」として成功したとしても、俺は認めない。

それにまだまだカットして短く出来る。冗長すぎるし、ラストの敵との攻防も夜なのは良いのだが『シュリ』の配電室での攻防のよさには遥かに劣る。それでも、許せるのは、SWATと名のつく特殊部隊隊員達がそれ相応の装備を振り回しながら走り回る姿が大好きだからだ。

ま、無難なアクション大作といった感じだろうか。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)HILO[*] すやすや[*] プロキオン14[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。