[コメント] アダプテーション(2002/米)
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開始30分、つまらなかったのでDVDの停止ボタンを押そうかと思った。脚本家(自分)が脚本を書くのに苦悩する話というのは結構難易度が高いと思うし、よくこんなアイデアを思いついたな、という感じだ。でもこれを評価するかと問われれば、迷わず「NO」と答える。
設定だけなら面白いのに、一向に進まない物語の前半は『マルコヴィッチの穴』の時のような強烈なインパクトや吸引力があるはずもなく、オマケにチャーリーは自己嫌悪してるわりには、しっかりと他人に誉めてもらう台詞が入ってる(よく覚えてないが、「発想がユニーク」系統のことは言っていた)。後半の展開も中途半端な破綻っぷりでどうにもなじめず。百歩譲ってコレがハリウッドを皮肉るという意図での展開であったとして、どうにもこうにも力が足りないため、同じような失敗をしでかしたのと変わらないように見える。要するにマッキーがあんまり役に立ってない。どうせなら爆発起こすか、ワニの後で突然ピラニアでも出すか、シャブの吸いすぎで気絶させて女流作家を仏にして欲しかった。
他作品と比べ続けるのも申し訳ないが、俺は『マルコヴィッチの穴』を観た当時、ジョン・マルコヴィッチを殆ど知らなかった。それでも楽しめる作品だった。でもこれは、チャーリー・カウフマンのことや、この人が書く脚本を知らない人が観たら面白いのか?まあ、もしこの作品を俺が気に入ったのであれば、そんなことは全く気にならなかっただろうし、そんな人の意見など「へぇ〜可哀相だな〜」と読み流していたと思うが、余りにも出オチで内輪ネタみたいな楽屋オチで詰まらないからそんなことまで考えてしまった。
ストーリーが云々のことをDVDのパッケージ裏で読んだだけの予備知識で観賞した後、シネスケのコメント群を見て「もしや・・・」と思ったので検索したら、ホントにあったんだね。「蘭に魅せられた男」って。恐らく最初からこれをしっかり脚色するつもりはなかったんだろうと思うが、仮に真面目に脚色していたら行き詰まったので開き直って書いた脚本であれば、この人もう駄目な気がする。
しかしここまで脚本家に言及する映画って初めてだな。まあ、脚本家が支配しきってるのだからどうしようもないが。
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