[コメント] フレディVSジェイソン(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
つーかね、フレディファンには悪いけど3つほど言わせてもらいます。
#1:21世紀になって、メタリックになって大気圏に軍曹と共に突入し燃え尽きても仮面だけは燃え尽きなかったジェイソン様にケンカ売るバカはお前しか居ねえよ。ヴォケ。
#2:本当にカッコイイ奴は背中で語る。北野武が無言のシーンの方がカッコよく見えるってのはそういう事だ。お前みたいにヘラヘラ笑いながら自己中心的にしか振舞えない野郎なんてもう時代遅れなんだよ!今の時代は寡黙に黙々と仕事をこなす童貞が求められるんだよ!大体、ジェイソン様をゲストに迎えておいて、自分の立場が悪くなったら「殺しすぎだ」なんて失礼極まりないんだよ。
#3:短小ちんぽ4本ぶら下げたくらいで、ジェイソン様の大型巨根ナタに勝てると思ってるお前はただの勘違い野郎だ!つーか、お前の短小ちんぽがジェイソン様のナタに負けてるって気付いて嫉妬してんじゃねーよ、ヴォケが。瞬間移動だとか、「何でもあり」が許される『マトリックス』ワールドで卑怯技使ってもジェイソンに勝てないてめーは一生忘れ去られるんだよ!このロリコンクリスマススタイルの短小野郎めが!
はぁはぁ。あぁ、言ってやった言ってやった。
劇中見ていて、ジェイソンが出現する時のあの音楽が聞こえて来る度に俺は笑いをこらえながら見ていた。
つーかこの映画、メチャクチャ面白かった。一時間半があっという間だった。
で、↑に書いた事ですが、フレディファンの方々すみません。だけど俺は『エルム街の悪夢』未見であり、『13日の金曜日』シリーズも二作目と、他もろもろ(←よく覚えてない)と『ジェイソンX』しか見た事なかったので、フレディには愛着なくて、むしろ、ストーリーよりも残酷シーンと裸が見物の『13金』シリーズの方が愛着あるんですよ。
だからジェイソン応援しちゃいますよ。劇中の登場人物たちがなかなかジェイソンの名前を口にせずにフレディの名前ばかり喋るのでイライラしていた。けど、これはビジターなんだ。だから仕方ない。
21世紀になっても、音楽、撮影、編集、脚本、登場人物のバカさ、血糊量は80年代のまま(まぁ「そのまんま」じゃないけど)。登場人物は皆バカで、恐怖演出は例の如く音で怖がらせる演出。観客が期待するのはストーリーよりも残酷描写と裸のみ。
けどね、けどね、劇場には二人分の笑い声(俺と隣の隣のおっさん)の声しかなかったのが残念。こういう映画はポップコーンが乱舞する映画館で大騒ぎしながら見たいものだ。
全てが80年代テイストで、かつスピーディでテンポ良い展開。フレディのホームグラウンドとジェイソンのルールを上手く使った構成と、アウェイとホームを上手く使い分ける対決シーン。
しかし、『エルム街の悪夢』のフレディには、今作を見た限りどうしてもあまり魅力を感じられなかった(そりゃジェイソン様が横に居るのだから仕方ないけど)のだが、夢と現実の交錯と、現実が夢の続きになる展開にはかなり恐れ入った。オリジナル未見だが、これはメチャクチャ面白いに違いない。きっと『13日の金曜日』より面白いはずだ(ストーリーはね)。
しかし、荒唐無稽ぶりでは『ジェイソンX』の足元にも及ばない。何しろあの映画は舞台がはるか未来で、アンドロイドねーちゃんや軍曹という超ファック野郎が所狭しとジェイソンと同じくらいの不死身バトルを繰り広げるのだから。そりゃかなう訳がない。
ではなぜこの映画が★5なのか。『ジェイソンX』になくてこの映画にあるもの。それは脚本の上手さだ。『ジェイソンX』は(ある意味では傑作的な脚本なのだが)ストーリーなんて無い様な物だが、この作品は実に練りこまれている。
ガキ集団とフレディ、ジェイソンの三つ巴。フレディの慟哭とジェイソンの能天気な大量虐殺(あのとうもろこし畑(?)での大量虐殺しながら闊歩するシーンは感動的!ジェイソン追いかける気全くなし。若者逃げる気まったくなし)。
特に凄いと思ったのが、酔って寝てる女の子が夢の中でフレディに殺されそうになった所を現実でジェイソンが殺すシーン。とにかく良く出来ている脚本だ。構成がメチャクチャ上手い。両方の特性を活かしつつも新しい物を作り上げ、挙句しっかりとアウェイとホームを使い分けて対決させる。
両者とも、クソみたいに凄い存在感のキャラなのでそりゃ濃いすぎるバトルになりますわな。そこにきて過去作品へリンクさせる辺りマジ憎すぎるぜこの演出。
特に最高だったのが、ジェイソンを”ホーム”に運ぶ車内。ジェイソンが水を噴出し人工呼吸をしようとしたり、ジェイソンの隣で寝たり。もう「お前らジェイソンなめてるだろ!」と怒りながら大爆笑してやりたい気分だった。
しかし、クライマックスの血みどろの戦いや、フレディの夢の中での戦い。はっきり言ってジェイソン強すぎ。あんた本当に。惚れます。マジ。そしてフレディの闘い方。猿かよ、アンタ。マジ笑いました。
クライマックス、「フレディを死ぬのを見届ける」という小娘の叫び。そして火を放ってフレディを追い詰める。
この展開って、ジェイソン=ウルトラマン。フレディ=地球を滅ぼす怪獣。ティーンのマセガキ=地球防衛軍。って構図がオーバーラップした。
もはやジェイソン君はウルトラマンなのだ!ビバジェイソン!(絶対違
はぁ、もうこれでも言い足りない。そしてこの映画のタイトル。『フレディVSジェイソン』。結果的に勝利したのはジェイソンだったが、タイトルの最初にフレディが来ているのは映画のホームグラウンドがエルムストリートだったせいなんだろう。
けど、俺にはこの映画、ジェイソン不死身すぎて製作者がフレディ主演の『エルム街の悪夢』の”ストーリー”を尊重しつつ、ジェイソン主演(?)の映画『13日の金曜日』の知能指数0のストーリーと登場人物、そしてジェイソンへの「愛」を描いた作品にしか見えなかったぞ。
だってどーみてもフレディは間抜けなんだもん。ジェイソン様にケンカうってる地点で。
最後に・・・
この映画を見た地点で、80年代ホラーをほとんど知らない俺は知った気にジェイソンに”様”をつけてみた。
「『エルム街の悪夢』シリーズ見て無いガキが調子こくな!」とお怒りの声が飛んできそうな気がしますが、どーしても自己中心的でベラベラ喋る野郎よりも、寡黙にクールに仕事をこなすターミネーターの如きジェイソン様@不死身に愛を感じてしまうのです。
それに、『13日の金曜日』シリーズが21世紀になってもクソみたいに続編製作されたのって、ジェイソン様の前で巨乳のねーちゃんがいちゃついて服脱いで、そしてジェイソン様が殺してまわるだけに意義があるから未だに愛されてるんじゃないかと思う(要するにストーリーなんて求められて無い)
『エルム街〜』はこの映画を見た限り、確かに面白い映画だと思う。ただ、単細胞の俺は”interesting”も好きだけど、”funny(むしろstupid)”も大好きだ!って事がここに現れてるんです。
こんな事言うと本当に失礼なのだが、フレディというキャラは、映画の上手い演出と構成があるからキャラが映えるだけで、ストーリーが無くても愛され続けているジェイソン様の方が偉大に思える。
そして、その両者を対決させた本作。対決とは、画面上で「個性と個性がぶつかり合う」事が面白い訳だが、”個性”というか”クソ度”だとジェイソンの方が遥かに上なので、最初から勝負は見えていた。
本当に最後に・・・
長くなりますが本当に最後に。
劇場に行くと、公開から少し経っている上に、19時からの上映だったせいか、人は20人程度。しかし、夫婦で来ている人や、カップルが大勢。上映中、笑い声は俺と、通路挟んで隣の隣に座ってるおっさん(外国人の方でした)だけでした。あとはたまに軽く聞こえる程度。
はてはて、お願いだからこの映画を見るのに「怖い映画」を期待して見に行かないで欲しい。「exciting」。まさにこの表現が相応しい極上の”エンターテイメントアクションムービー”だと思います。
けど、このレビューネタバレだから見る前の人は読まないんだろうなぁ・・・
ジェイソンが主人公二人に迫るフレディを後ろから刺し殺した時、俺はターミネーターの面影を感じた。
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