[コメント] キル・ビル(2003/米=日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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さすがに三時間ぶっ続けでこれをやったら、いくらこれが好きな映画であろうと辛かった。そういう意味では前後編に分割したのは大正解。
俺がこの映画で期待していたのはタランティーノがとことん趣味を極めてやりたい放題してくれていることだった。タランティーノが大好きで、栗山千明抜擢のきっかけとなった『バトル・ロワイアル』は正直言って嫌いである。ストーリーにおいてのみの問題作であり、どんな角度から観てもこだわって作った部分も感じられず、中途半端な映画にしか感じられなかったからだ。
それに比べ、この映画はタラの愛に溢れている。昔の邦画だとか香港映画だとか俺はほとんど知らないが、全編に渡ってぶっ飛ぶ血しぶきや、飛行機だろうとバイクだろうと歩いているときだろうと絶えず携帯される日本刀(明らかに銃刀法違反)、どっから覚えてきたんだというような日本語(ハッキリ言って「ウワサガヒトリアルキシテルヨウダネ」などは、面白がっているようにしか思えない)は、「一回やってみたかったんだ」「俺はこういう映画を観たかったんだ」というタラの声が聞こえてきそうだった。
また、エンドロールで「恨み節」流してるあたりを見ると、この男は下手な日本人よりも、日本を違う角度から知り尽くしていそうである意味恐ろしい。
前半の「プッシーカー」や、教会の惨状を見た警官が「アバズレ女!」と叫ぶとこ、ユマが最初の復讐相手と「ビッチ」「ビッチ」言い合いながら闘うところなど、今までのタランティーノ映画らしい部分が後半ではあまり見られなかった部分が残念だった。が、ラストでビルが「娘は生きてる」と言っていたあたりを見ると、本作でも使われていた『パルプ・フィクション』的な時間軸をずらす手法に加え、ストーリー性が出てきそうである。更に舞台はアメリカに戻る。となれば台詞回しも期待できそうだ・・・
そうそう。アメリカで「My favorite movie is "KILL BILL"!!」と言ったら、「Oh!So,do you have a Japanese sword?みたいなこと訊かれそうなんですけど・・・クエンティンさん。
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