[コメント] 告発(1994/米)
惜しい!テーマは決まってたのに、ハリウッド的な色気を出して中途半端になった。(よね?)
誰からも愛される事もなく、誰ひとり友人もいない。
独房の中で蜘蛛でさえも「友人」に感じ取ろうとする程の孤独を耐えた主人公のたったひとつの願いは「友達が欲しかった」だった。
裁判という死を懸けたゲームすら、弁護士という「友人との時間」と割り切る主人公に哀れみを感じる。
本作のテーマはココだろう。だが、本作は1、アルカトラズの非人権的行為。2、若き弁護士の成長。3、法廷サスペンス。と盛り沢山の脚色で観客を厭きさせない。
ひとつのテーマにいくつかのエピソードを絡めたり、平行してラストに結実させたりする事は映画作りとしては常道であろう。しかし、本作のようにあれほど深く、長大なテーマを横たえながら、肝心のテーマに深く突っ込む事を恐れ、他のテーマに関わる時間が多かったのがとても残念である。
いや、他のテーマも重要で感嘆させられたし、肝心の「友」の部分も充分な感銘を受けた。ただ、あえて言わせてもらえば、バランスが悪かったのではないかと思うのだ。
「友」のテーマをもっと深く撮っていけたのではないのか?特に役者が並外れた熱演をしているからこそ残念なのだ。主人公の心理的変遷をもっともっと撮っていけば、あれだけの熱演だオスカーも射程に入った作品になったのは間違いないと思うのです。
買いかぶり過ぎるか?しかし、それほど見ていて残念だった・・・
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。