[コメント] キューティ・ブロンド ハッピーMAX(2003/米)
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『キューティ・ブロンド』の続編。
前作同様、主人公の派手で多彩なファッションを売りにし、偶然性と御都合主義が強い展開。エルが独特なプレゼンテーションをしたり、議院のプロフィールや趣味を調べて、そこから議員とお近づきになったり、情報通のドアマンから議会や議員の情報を聞き出したりするところは、日本のドラマにもあった石田ゆり子主演の『悪女(ワル)』とよく似た展開。
前作ではやや子供っぽくて脳天気な性格だったエルだが、今回は前半こそいつもの感じだったが、後半はすっかり大人っぽい才女ぶりを発揮。服まで派手ではなくなり、別人のような気がした。いいかどうかは別にして、最後の最後まで天然キャラを押し通さないと、ただの知性派でおさまってしまったら、エルのキャラクターは失われてしまう気がする。
これで映画評はさておき、個人的に今回の映画を観て、『28日後...』と同じぐらい恐い思いがした。エルの「ブルーザー法案」への反対が政治的、金銭的な思惑という理由でしか描かれていないからである。エルの目指す「かわいそうな実験動物を解放する」というお題目はさも正義にかなっているように見えるが、実際問題、化粧品会社であっても実験動物に人間に害がないか調べるために薬物投与をしている可能性があるわけで、そうした動物を無分別に解放することがどれほど危険かこの映画の製作者たちはわかっているのかという点である。もし解放した動物のせいで感染症が広がったりしたら、エルはどう責任を取るのだろうか。
今後、実験に動物を使わないと言う法案なら理解も出来るが、化粧品会社の実験動物全ての解放にそうした理由での反対意見が全く出ないのは不可解きわまりない。
最後に研究施設から解放される動物たちを観て、とても人に勧められる映画ではないと感じた。
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