[コメント] キューティ・ブロンド ハッピーMAX(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
バカさかげん(個人的には映画に求めるものの中でもかなり重要)を上回る不愉快さが充満したコメディーだった。
公聴会のシーン、何か出来の悪いCMでも見ているよう。
化粧品製造の動物実験反対を云々するなら、まずはすっぴんになれと言いたい。代替案があると言いたげだけれど、人間、自分の信じたいことだけを「真実」だと思うのは当たり前で、その代替案のデメリットには目も向けず(ていうか、具体的にはどんな方法なんだろ。ボヤボヤのまま法案は通っちゃったけど)、物を深く考えていないのは明白。あんな人に説教されるのも説得されるのもまっぴらだ。
おしゃれなブロンドというだけでバカ呼ばわりされることに反発し、卒業生総代になるまでに努力した前作は、もっと一本筋通っていて説得力もあった。玉の輿に乗って老いた夫を殺した容疑をかけられたデルタ・ヌウの先輩が「アリバイ証明はできるけど、それを言ったらオシマイ」な事実を隠し通そうとしたとき、それを尊重した上で弁護した姿なんか、すごく微笑ましかったと思うし。
信念を貫くというテーマから、エメットが『スミス都へ行く』を見て感激を新たにするシーンを入れたのは、いかにもアメリカっぽいけど、残念ながらあの映画すら安っぽく見えてしまった。
リーズ・ウィザースプーンが、欲しいものをすべて我が物にしちゃう俺様ヒロインを演じた映画というくくりだったら、『メラニーは行く!』の方がまだましだった。頼むから、ホワイトハウス居住権まで手に入れようとしないでほしいもんだ。懲りずに変な続編つくりそうで怖いよ。
もしも映画製作スタッフに、ちゃんと物を考える力があるんならば、突っ込んで欲しくてシャレでつくったとしか思えない。
また、どうも「映画を見て損した気持ちになりたくないから無理して褒める部分を探す」癖のある私は、たまに何か思い切り映画を貶したくなることがある。頭使わず楽しみたくて見ただけの作品が、そのターゲットにもってこいだったのは、非常に残念なことだ。
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