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[コメント] 呪怨(2002/日)

オリジナルと較べても、更に色のコントラストは大変映えていました。物語が破綻してる?それは元々です。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 元々のビデオ版『呪怨』は、訳が分からないけど、なんだか妙に怖いことで人気を呼んだが、本作は割と忠実なリメイクとなっているのが特徴。勿論設定上、色々と違いはあるものの、時空列を分解し、一体今自分はどの時間のシーンを観ているのかという疑問を持ちつつ、画面に演出される怖さにはまっていれば良し。

 本作の“怖さ”というのは、他のホラーと較べても、かなり異質なものだと思える。家を舞台として、恐怖を演出する作品というのは“館もの”ホラーとして定番ではあるものの、通常その手の作品は、恐怖のテンションが高まる過程を楽しむもの。それに対し、本作は最初っから出し惜しみ無し。しかも恐怖のテンションが全く下がらないのが凄いところだ。次に何が来るのか、展開がまるで読めず、やっと今観てる画面のつながりが分かったと思った途端、又別の話が始まる…実際の話、ストーリーは最初から破綻してるのだ。しかし、その破綻ぶりが逆に恐怖を呼んでるのが大変面白い。

 それと、本作を演出するのに面白いのが色の使い方だった。ホラーの多くは闇を演出するために黒と、血を示す赤が兎角多く用いられるものだが、本作は赤が極端なほどに少なく、その代わり、白が出てくる。それは加椰子であれ、俊雄(だったよね?)の白塗りの顔であったり、妙に白々しい新しい家の雰囲気であったり、シーツの白さだったりする。改めて思うに、監督の色遣いの巧さは確かに凄いと思える。

 さて、ハリウッドリメイクはこの演出がどうなるんだろう?

(評価:★3)

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