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[コメント] まぼろし(2001/仏)

全てのシーンが物語を語る上で意味を成す。南仏でのOPからしてラストショットを予感させるのだ。だが俺は好きになれない。この映画は悲劇における一人の女性を描く。マリーの心情が明らかになるにつれ、彼女を直視できないのだ。
ナッシュ13

中年夫婦の関係、または中年女性の心情に、俺がまさか踏み込める余地なんてある訳ないだろう?と思っていた。しかし刺激されっぱなし。(いろんな意味で)繊細な彼女に影響されまくってしまう…。オゾン演出には脱帽するしかなかった。

終盤を迎えるにつれ、彼女が夫と歩んできた25年間にどれ程までの「思い」が詰まっていたのかが示されていく。同時に、夫失踪後の彼女の言動の真意も浮き彫りになっていく。そして、徐々に物語の意図する方向も見え始める。

…彼女は全てを分かっていたのではないか?それを認めたくなかっただけではないのか?

堪らなく虚しくなる自分が…。

心に残ること間違いなし。20年後くらいに再見したら、俺は何を思うかな?

(評価:★3)

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