[コメント] がんばれ、リアム(2000/英=独=仏)
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結局どうすれば良かったっていうのか。敬虔なクリスチャンであれば貧しくなる。共産主義に走れば捕らえられる(それ以前にその後の破綻は歴史的事実である)。それで結局ファシズムに走った挙げ句娘を焼き殺しかける。どうしようもなかったっていうんなら、そんな街に転がってそうな不幸話をお金払って観たくはないです。
そんな風に視点がブレて見えたのは、登場人物の心理描写や魅力が薄かったせいもあるかと思います。実際家族相互の愛情がすごく見えてこない。貧乏に負けまくっているのか、みんな自分の好きなことを言ってばかり。裸を見られて狂ったように怒る母親(それ自体は国や慣習によって違うものですが、「わざとだ」とまで言う必要はないと思う)。息子の晴れの日にわざわざ来てまでブチ壊し、挙げ句息子の前でも放火を止める気配もない父。唯一、姉テレサからのリアムへの愛情だけは細々と伝わってきましたが、こんな家族じゃ頑張ってもらおうとも思えない。リアムとリアムの叔母の揉めるシーンもそう、吃りだって知ってるんだったら怒るな叔母ちゃん。借り物に来たんだからお前も怒るなリアム。
そのクセ「性」や「罪」に対する描写だけ異様に生々しいものを揃えてるから(母の裸や奥様の浮気、延々と脅し続ける学校の神父)心底気持ち悪い。歌で「毛」の話なんかどうでもいいよ。どいつもこいつもちゃんとしなさい。
キリスト教の教義の薄暗い部分に踏み込んだ映画だとするなら、明るい部分にも詳しくない僕が観たのが失敗だったのかも知れません。それならそうであんなパッケージとタイトルにするのは止めてください。売り方が違うだろう。
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