「映像だけの映画」。

だったとしても、それで溜飲を下げるのは中学生まで。 緩急をつけたスローモーションは最初のノーカット連続斬りのシークエンスあたりでは「おおっ！」と思わせるものの、全編通じて同じ調子なのでダレる。 ストーリーも「筋肉マンのスパルタ兵300人とペルシャ兵10万人が戦いました」以外に何もないので観客としては観るモチベーションが薄く、退屈でうたた寝をしてしまうことも…。

こういう筋肉バカの映画に思想的に難癖をつけるのもなんなのだが思想的にヤバくないかコレ？ この映画、「健常者＝正義、身体障害者＝悪」という現代社会じゃあり得ない図式で描かれているんだよな。一カ所だけならまだしも徹頭徹尾そうなんだからビビる。スパルタの慣習がそうだったのは歴史的な事実だからいいとしても、ペルシャ兵や裏切り者が身障者ってのは映画としてやりすぎだろう。

身体障害者＝悪という考え方は、ナチスドイツのホロコーストの元になった「断種法」と同じ考え方なんですけど…。それに力を持つ持つ物だけが自由と民主という言葉を口にしていい、みたいな考え方もチラホラしているし…。「スターシップトルーパーズ」みたいに確信犯でやっているならいいけど、コレは天然ぽいから怖い。

技術的には飛び散る血がパーティクル感バリバリでCGぽくって萎えた。