天才少年の心のヒダに分け入る作風のように見せかけた、騙し絵的ヒーロー劇。ガンツ爺さん含め、駄目大人ばかりが登場する。なかでも一番駄目なのは、企業買収をあの単純さでしか描けない、制作陣の経済無知では？と思える。（スイスの子供が、「株取引っていけないことでしょ？」と言うのが笑った。スイスっていい国だァ）

　だが子供が観たら十分に楽しめるのかも。そういう意味では、痛快な児童向け映画としては成立していそう。主人公の少年も、ピアノを弾かせるとさすがに凄いが、平場シーンの台詞回しなんかは朴訥として可愛らしい。

　もしやこれも作戦のうちでは・・・？とつい気を回してしまう。

75/100（08/05/24見）