まず、お前は神じゃないだろと。自分の勝手な基準で人を選別する傲慢極まりない人間だ。自分は命を供託するのだから、そうする資格があると思うのか。そうだったとしても、ヤな奴だ。死んだ後、自身の臓器を他人に提供すると決めたなら、それがどんな極悪非道な人物に渡ろうと、容認しなきゃいけねえよ。うん。

　もしこいつが神だったとしてもだ。そして僕が仮に臓器の移植を待つ立場の人間だったとしても。僕自身は神に選ばれるような人間なんかじゃないと思う。そんなことを期待しながら生きていく生き方もいやだ。たまたま死んだ人間がいて、たまたま僕の順番が来て、提供してもらうというのならいんだけど。

　だから本作は、施しを受ける側の視点ではなく、施しをする側の視点から描かれた作品だと思うんだ。だから最低の映画なんじゃないかと思う。

　でも、本当に臓器の移植を待つ立場の人間だったら、こういう人間の存在を、頭から完全に拒絶することはできないのではないかという気もする。しなくもないではなくなくない。

　ところでチーズ（乳製品）大丈夫なベジタリアンもいるんだね。殺さないから？ 本来は子牛が飲むものなんじゃないかた思うが。

(20/5/24見)