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[コメント] 希望の国(2012/日=英=香港)

強いて言うなら、今の日本の一面を体現した(描写した、ではなく)映画ではあるのだろう。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 いきなりラストシーンから書くので、本格的なネタバレになりますが。

 それまで、放射能に対し、過剰とも思える反応を見せていた奥さんが、その「防護服」を脱ぎ捨ててしまう、というのがラストシーン。

 まあ、あんな程度の(簡単に脱ぎ去れるような)物で、もともとたいした防護にもなっていなかったのは確かだろう。

 だがこれは、現実にそこにあるものを、(確かに目には見えないが)無視する、見ないことにする、気にしないことにする、によって生じる偽りの「希望」だ。

 太平洋戦争末期の「神風が吹く」や、原発事故以前の「原発は安全」と同じ、「神話」である。「放射能はたいしたことない」という、新たな神話。

 到底、受け入れられない。

 しかしもう一歩踏み込んで考えれば、これが今の日本の現状であることも、また確かだ。

 監督がそこまで意図して描いていたとは思えない、という評価である。 

60/100(13/04/09記)

(評価:★2)

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