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[コメント] 去年マリエンバートで(1961/仏=伊)

延々と続く生気のない回廊。荘重なだけで空虚な装飾。でも、耳を澄ませば、こんな物語が聞こえてくるのかもしれない。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 オカルティズム(超自然主義)的に言うと、交通事故などで急に命を奪われた人の魂は、その場所にとどまって呪縛霊となる(ことがある)。突然の死を受け入れられない想いが、この世に対する未練となってその場に残るのだ。

 その伝で言うと、本作は、何らかの事情により想いを遂げられず死んだ男と女の霊魂が、終わりなく繰り広げる魂のロマンスである、と受け止められる。男にも女にも死んだと思えるシーンが確かにあった(※)。

※)男=手摺りが崩れてテラスの下に落ちる。女=浮気がばれて夫に撃ち殺される。

 霊魂だから、あらゆるところに存在し、同時にどこにも存在しない。霊魂だから、まともな思考力がなく、同じ事柄のみくどくど繰り返す。足音が聞こえないのは、絨毯に吸い込まれるからではなく、足がないのである(そりゃ日本のおばけか)。

 男の残した想いは、この女に対する執着心。女は、退屈で疲れ切った現実世界からの逃避願望。だからある意味女は想いの一部は遂げた。女がより素っ気ないのはそのせいだ。男の強烈な執着心により、この世にとどめられているのである。

 二人の想いは、空回りを続けた挙句、ついに一つのものとなる。映画的に言うと、二人で連れ立って屋敷を出ていくラスト・シーンは、成仏を意味するのだ(だからそりゃ日本の・・・)。神なき時代に彷徨う魂の供養を意図した作品であると言えるか。

 否、それらの想いに耳を澄ませ、聞き取りをした作品であると言えるだろう。合掌。

60/100(10/07/18…18年ぶりくらいで劇場初見)

 当初投稿していたコメント↓。

あともう1回観たら意味がわかるんじゃないかと思って、4〜5回観たけど結局・・・、もう1回観よ。ちなみにここはマリエンバートではないのです。

   ※  ※  ※

 時間が余ったので(?)あのゲームの必勝法について。映画の中で「奇数を残すように取る」とか「足して7になるように」とか言われてたのは、すべて外野が勝手なこと言ってる類。映画としては、思わせぶり、として機能していると言える。

 「1−1−1」と残せば勝てるのは見ておわかりの通り。これは自明すぎるので勝ちパターンとは言わないが、もう一つ、「2−2」と残す、というパターンがあり、すべてはこの二つのパターンの組み合わせである。「1−2−3」と残すのが一つの勝ちパターンなのだが、これは次に相手がどういう取り方をしても、「1−1−1」か「2−2」(もしくは「1」)を残すことが可能である。

 また「2−2」の応用編だが、「3−3」「4−4」「5−5」と残しても、相手と同じ数ずつ(別の行から)とれば、最終的には「2−2」に持ち込めるので、これも勝ちパターン(もちろん例えば「5−5」のパターンで、相手が一挙に4つ取って「1−5」とされたら、その場合は別の行を「5」取る必要がある。自明とは思うが・・・)。

 さらに応用編として、「1−1−2−2」と残すのも勝ちパターン。相手が「1」の行を取れば、自分も「1」を取って必勝「2−2」パターン。2の行から1つ取られた場合は残った2の行を2つ、2の行を2つ取られた場合は残った2の行を1つだけ取れば、「1−1−1」パターンとなる。これも同じく「1−1−3−3」「1−1−4−4」「1−1−5−5」が有効である。

 例えば相手が初手で、「7」の行から2つとり、「1−3−5−5」としたとする。そしたら自分は「3」の行から2つとれば「1−1−5−5」となるので、もう勝ち決定である(後の取り方を間違えなければ)。

 以上から、先手であろうが後手であろうが、相手に「5−5」「4−4」というパターンを作らせないように打っていけばいいことになる。相手が初手で「7」の行を1つ取り「6」とされたら、自分は「5」の行を1つ取って「4」としておく、といった具合。

 これらの法則を知っている者同士が闘うと、どっちが勝つことになるのか、知らない・・・。

(評価:★3)

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