[コメント] 兵隊やくざ(1965/日)
軍隊というところに流れる論理を、”義理人情”みたいなもっとオールドスタイルな価値観が覆す。この痛快さがいいですね。
前に見たときゃあネ、田村高廣が、「私は軍隊は大嫌いだ」とか言ってるわりには、軍隊を覆うヒエラルキーの微妙な襞に、やけに通じてるのはおかしいじゃねぇか、と思った。それから、勝新=大宮に対する思い遣りね、友情でもないし師弟愛みたいなもんでもないし、体育会的上下関係とも違うし、たまたま上官から面倒を見ろと言われただけなのに、こんなに親身になってやるのは何でなんだ?と、これも分からなかった。
今度見るのは2回目になるんだけど、一つには、これはフィクションだ、ってことだね。つまり、この映画は戦争が終わって20年してから作られてるんだけど、戦争当時は、軍隊が大嫌いだなんて言える訳なかったんだ。軍隊大嫌いだなんて言ってても、軍隊を貫く論理の機微には通じてる、ってしないと、リアリティがなかったんだな。もう一つは、勝新に対する思い遣りね、これはたぶん、こういうもんだったんだナ。上官から言われただけで、みんながみんなここまでする訳ではなかったにしても、こういう奴がいたとしてもちっとも不思議じゃなかったんだろう。
こう、考えるとネ、この映画で描かれる痛快さが少し分かった気になって、なんか、嬉しかったネ。
それと、淡路恵子のへそだけど、なかなかいい形してたぜ。
80/100(04/08/03記)
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