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[コメント] マイノリティ・リポート(2002/米)

記憶力に問題のあるあなた(=私)のための次回鑑賞時のポイント。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭からわりと暴力的な映画なので、作品の中で描かれるガチガチに管理された/殺人事件のない未来社会が”平和的”とされるのはちょっと滑稽な感じがした。スピルバーグ流のアイロニーなのかもしれないが、彼の人間観察の底が浅いのでは?と思わせるのは、「ガチガチ管理・No殺人事件」社会の反対は、「自由度高し・殺人事件アリアリ」社会だと思うのだが、”自由度高し”の部分を好ましいものと描くのに、”殺人事件もアリ”の部分は描かない所である。それはまだ(主義主張だから)構わないのだけど、それでいて映画は存分に暴力的に描く。まあ、説教するなら足元きちんとしろよ、ということなんだけれど、実はそれほど説教臭い映画ではないので、文句つけるほどのものはなかったりする。実際のところ、単純に娯楽映画として充分楽しめたし、特に後半部に入って、システムの盲点をついて殺人を実行するところ、また如何に盲点を突いたかを解明する所、あたりはたいそうスリリングであった。

しかしながら結局のところ、システムを存続させる為にシステムの盲点を突く、なんて話が成立するのは、映画という短い時間枠の中でのみ。だって盲点があることはいずれみんな気づくんだから。だから映画の中では、プルコギ(違う)の予言が100%正しいわけではないことが証明されたから、システムを破棄せざるを得なくなった、としていたけれど、これは本質から(しばらくの間)目を逸らすために用意した結末ですな。

ついでに言うと、なぜジョン・アンダートン(トム・クルーズ)を殺人犯として社会から抹殺する必要があったのかよくわからない。何事でも予知できるアガサ(・クリスティー?)が、結果として母の復讐を遂げる為にジョンを巻き込んだ、という考え方の成立を拒むのは、彼女にはリオ・クロウに「殺されること」を依頼することはできなかっただろうから。

75/100(03/05/04見)

※レビュー書いているうちに、あまりコメント題とは関係ないまま完結してしまった。ゴメンヨ。

(評価:★3)

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