[コメント] テキサス・チェーンソー(2003/米)
恐怖もなければ「痛み」もない。あるのは効果音付きのサプライズだけ。
オリジナルにあった、痛覚が刺激されるような生々しい「痛み」がまったく感じられなかった。それは、ただ単に残虐で凄惨な画の有/無、多/少によるものでなく、また、そういった画にわたしが慣れてしまって鈍感になったからでもないと思う。要するに、「空気」の描き方によるものだ。
テキサスの病的に眩しい太陽の蒸し暑さが伝わってこない。地平線も望めそうな開かれた土地にもかかわらず、なぜか息苦しくなるような閉塞感が伝わってこない。闇を恐れる昼の焦燥感、切迫感が伝わってこない。これらは、すべてオリジナルにはあったもの。
ただ、どの方向へと足を運ぼうと、まるで迷路のようにあのダイナー(レストラン?)に戻ってきてしまう、その不条理な空間感覚の妙はあった点を買う。
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