要するに、あきらかに悪趣味なんだよね。 でも、悪趣味を判って撮ってるって考えると、 笑いがとまらない。

俳優は名優ぞろいで、熱演をしているし、大自然を感じさせる 映像もあいまって、悪趣味を増長させている。

極め付きは、荻野目と高倉が、広野で語り合う場面。 動物の命がなんたらかんたら、あのときの二人のまなざしは 感動もの。あのシーン、中年男性（独身？）と少女が動物をめぐって こころを共にするのだけど、妙にエロティックに感じるのは僕が おかしいのか？（あの場面、全然必然的つながりがない。そういう場面が たいへん多いのがこの映画の特徴）

犬には演技はできません。人間が苦労してありえない物語りを つくってるのです。普通は、人間をもっと中心におくべきところを、 名優をほっておいて犬を中心にしたところが、なんとも。 わんちゃんも大変よね。 駄作もここまでくると、名作に転じる例かも。