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[コメント] 御法度(1999/日)

存在の妖しさ…。
ちわわ

 これはなかなかいい作品だと思いました。大島監督、現代でどんな切り口を見せるかは楽しみでしたが、一つの解答になっていると思います。

 ホモとかレズとか、もちろんぼくじしんはその気はないし、いちおう離れておく、という接し方をしますが、かといって全面否定する気はないし、もちろんどの人間に起こりうることだと思います。でも肉体関係にとらわれず、もっと細かく見ると、人間の結びつきに性的なものは、至るところでみられるだろうし、それは否定できないとも思います。近藤と土方の関係がそうだと、暗に示唆されていましたが。その性的関係の内に、世の中では、至るところで、「怪物」が生まれそだっているのでしょう。自分が気付かぬ間に、怪物はうまれている。

 映画の中で、沖田総司がそういう発言をしていました。沖田は登場回数こそ少な目ですが、映画の副心的存在になっているように思います。まあ普通男が惚れるのは、ああいう人物でしょうが。原作も眼を通しましたが、司馬遼太郎の原作を読むと、本当に沖田は今回の武田真治みたいな人物だという気がしてきました。どうも肺病病みの天才剣士というと、色白の美男子(東山紀之?)になってしまう。原作をよむと、無邪気で、竹を割ったような性格でした。

 二つの物語をひっつけたのは、新撰組の内部を理解しやすくする術だったのでしょう。なお「三条・・・」では加納惣三郎ではなくて、国枝大二郎という人物が主人公でした。

 大島映画ならではの理屈ぽさは感じますが、それもあまり気になりませんでした。

(評価:★4)

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