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[コメント] シティ・オブ・ゴッド(2002/ブラジル=仏=米)

すごい作家がまた現れたなという印象。ハードな内容をセンスよく作り上げた。何より素人同然の子供たちを配しながらも、きっちりと完成度の高い作品に仕上げたそのアプローチに脱帽でしょう。
HAL9000

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まず、冒頭の包丁を研ぐところのクローズアップで「あ、来た」という感じ。はじめは何か金属に強い光が反射していて、それが何かよくわからない。その光は音と共に上下していて、その音で何が行われているかの見当がつく。「包丁を研いでいる」ということがわかってくると、その音に合わせるようにラテンのリズムがフェードインしてきて、やがて溢れだす。すごくスタイリッシュだが、刃物を研いでいる以外何もわからない。ゆえにこちらは緊張したまま。 この時点で、かなりこの作品を肯定する気になっていた。

この監督はブラジルのCM業界では相当な評価を受けているらしく、なるほど、スーパーの見せ方にしてもソツがないなという印象‥‥

描かれている内容は「どれだけリアルなのか」と疑わずにはいられないほど過激だ。凄惨そのものだ。しかしそれがそれほどエグくないのは、この監督の持ち味だろう。いや、おそらくは狙っているのではないか。極東のニンゲンからすれば、地球の反対側で起きている(らしい)ことであるという地理的な事実も手伝ってのことかもしれない‥‥ 近年では、ドキュメンタリー(風)の作品にいいものが多いように感じている。「トラフィック」「ボウリング・フォー‥‥」。この2つもとても良かった。そして本作もホントに劇場で観てよかったと心から思える作品です。

(評価:★5)

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