会社に代わって対象者に解雇を宣告するサラリーマンのドラマ｡

ライアン役のジョージ・クルーニーは､サラリーマンとしての身の振舞いや金銭的な余裕を感じさせる中年男性の気品が感じられ､はまり役｡

仕事回りで飛行機移動を生きがいと感じ独身生活を謳歌しているように見える中年男性が､実はその反面で女性との親身な恋愛を密かに求めていて､意気投合する女性が現れたことで､初めて恋愛に積極的になったのに､最後に女性が既婚の子持ち女性であることが明らかになり､理想を打ち砕かれるという哀愁が上手く描かれていたと思う｡

ただ､雇用者の解雇宣言のための出張制度の廃止を提案し､ライアンに同行して研修に行く新人女性社員のナタリーのポジションがこの作品ではちょっと中途半端な感じで､研修の中で解雇された人物の自殺に遭遇し､ショックを受けて会社を辞める彼女をライアンが最後にはサポートするところが見られるが､それまでの展開でライアンとナタリーのエピソードが思ったよりも描かれてないので､やや印象が弱いまま終わってしまった気がする｡