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[コメント] 海底軍艦(1963/日)

潜水艦や水上の戦艦が爆発するシーンの特撮が実に素晴らしい出来。実物が爆発してように見えるぐらいミニチュアの造形に違和感が感じられなかった。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







海底軍艦とムー帝国との戦いを描いた潜水艦アクション映画。

展開そのものは過去の東宝特撮と大差ないが、この映画はムー帝国との激戦よりも愛国心からアメリカとの最終決戦のための轟天号の使用を譲らない神宮司大佐と国際社会の平和のための轟天号の使用を主張する楠見との対照的な確執など反戦的描写を強調している点で従来の東宝特撮作品との違いが感じられる。

映画としては神宮司が20年のギャップを乗り越えて心境が変化していくところが丁寧に描かれているところはとても好感が持てる。またラストでムー国皇帝が自国が滅びていくのを目の当たりにして海に飛び込むところも印象的。

特撮では潜水艦や水上の戦艦をムー帝国が襲撃して爆発するシーンが迫力があって実に秀逸。実物を爆発しているように見えるぐらいミニチュアの造形に違和感がなかった。轟天号も造形はかっこいいし怪物マンダの対決シーン緊迫感があってよい。特撮シーンに関しては申し分なし。

ただ、一般人に対してあれだけの破壊力を見せつけたムー帝国が轟天号にかなりあっさりやられてしまっていて、轟天号対ムー帝国の兵器の対決で映画をもっと引っ張ってもよかったかなと思う。またムー帝国の住民や帝国の造形など世界観に関してはかなり画一的でもう少し奇想天外なアイデアが欲しかったところ。

役者では楠見役上原謙や神宮司大佐役の田崎潤はなかなか存在感のある演技で主人公の高嶋忠夫の演技も霞んでしまった。神宮寺の娘、真琴役の藤山陽子も非常に美しく印象的。助演ではムー帝国の皇帝役の小林哲子やムー帝国の工作隊員を演じた平田昭彦の演技がインパクトがあった

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)水那岐[*] おーい粗茶[*]

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