[コメント] ハムレット(1948/英)
映画演出であろうとする積極的な意図が全編を通じて伺えそれは好ましいのだが、シェークスピア劇への尊敬の思い入れが過剰なために、科白の切り詰めに思い切りを欠き、冗長さを贅肉のようにまとってしまった作品。
演劇では絶対に表現できない、縦に伸びる建物としての城の表現。階段の映像のさしはさみ方がとてもうまい。中盤の劇中劇のシーンも、見る者と見られる者との関係が複雑に入り組むシチュエーションを、移動キャメラで円を描くようにワンカットで表現していくうまさなど相当なものなのだ。フェンシングのシーンの殺陣の素晴らしさも特筆ものである。これだけのよさがありながら、この評点になってしまうのは、その科白のくどさ。大胆なカットが出来ていれば、ここまで長尺化せず、良い意味での軽みがでてよかったはずなのだ。
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