[コメント] ヘカテ(1982/仏=スイス)
世評が高いのは、色彩設計と明暗表現、影の使い方によって幻想のような懐古的世界が再現されているからか。しかし、観終わると、描かれる男性心理の、普遍性のあるくだらなさに時間をかけて付き合ったむなしさが待っていた。
どこまで意匠的に凝ろうと、男女が美しかろうと、男のもつ対女性幻想を現実世界で実現しようとする小児的勝手さばかり見せつけられる。女がそこからすり抜けて行くのは当たり前だろうと思う。
回転台の上で、木馬は決して前の木馬に追いつかない。この映画が画いて見せたのは、この種の回転だった。構造を描くことも映画かもしれないが、退屈なのだ。
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