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[コメント] 沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇(1995/仏)

ストーリーテリングが筋肉質で無駄がない。伏線の張り方がさりげないが周到だ。特に主要舞台となる富豪一家の家屋の間取りや屋外の状況提示が説明的ではないのにクリアなので、どれだけ終盤の「解放」が盛り上がったことか。さらにうまいのが性格描写で→
ジェリー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







用心深く冷静なサンドリーヌ・ボネールと、がさつで昂揚し易いイザベル・ユペールの描き分けがうまくできている。それに呼応して、年齢に比してぐっと地味な服を着るボネール、派手ではすっぱな印象のユペールという外見の差異の出し方も確かだ。しかしテーマに直結する意味でもっと大事なのは、二人の共通性である。一つは、家族を不審な状況で失ったという過去の共通性。もう一つは、人への共感能力や信頼能力の欠如という性格面の共通性。この二つが二人に破滅もたらしてゆく。深い人間認識に裏打ちされているゆえに面白さが倍加する。

(評価:★4)

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