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[コメント] 自転車泥棒(1948/伊)

あの子役、顔が関根勤。→
ジェリー

えー、それはともかく、よく見ると正面切って「貧困」を嘆くプロレタリア・アート臭さがない。日本的にいやらしい無常観もない。しかし、いつ盗まれるかいつ盗まれるかと“期待”させるサスペンスの構成力が手堅い。必要なだけ軽く泣かせる腕が確か。一歩間違うとわざとらしさが匂う半歩手前でバランスをとる手綱さばきも巧み。見かけ以上に声高さのない、抑制の利いた映画と見た。同じ程度の(それ以上の?)貧困を描くチャップリン作品と比べて、作品に過剰な思いを込めるチャップリン・タッチとは大きく異なる。この映画の「FINE」の後、突如あの親子に幸運が舞い込む可能性を秘めているような作り。すなわち等身大の人間、というところがよいのだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)Bunge[*]

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