本作を見て、感動した人も、嫌悪感を感じた人も、 何かしらの強烈な印象を受けたと思う。 そういう意味では、この監督は、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』然り 凄い人だと思います。 万人受けしないとはいえ、独特のセンスを持っているし。

そして、Eワトソン。 私は『ほんとうのジャクリーヌ・デュプレ』を先に見たけれど、 ものすごい存在感がありますね。 決して好きな女優ではないけど、 認めざるを得ない女優。 そんな彼女といい、ビョークといい、 演じ手を選ぶ、使う、表現する才能はピカイチなんだろうと思います。

とは言え、やはり構成はだるい。 そのテンポに、描き方に、 疲労感と苛立ちを感じたのは私だけではないと思います。 見ていて、本当に、 とてつもなくだるくて、 なのに、既にべスから目が離せなくなっている自分もいて。

評価なんてしきれない、 不思議な不思議な映画。

それでもやっぱり、新作が出たら、 「あの監督だし」 と思いつつも、 前例のない衝撃を心の片隅で期待して見てしまうような気がする。 それはすなわち、自分のマゾ性を認めることなのかもしれない。