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[コメント] 輪廻(2005/日)

優香の好演と、ジャパニーズホラーにしては極端な破綻が無く、一応辻褄が合わせられていた脚本、またトイレに夜中に行きづらい程度の怖さはちゃんと溢れていたので★4つ。どこかで観たような的他作品のオマージュが多いものの優香以外のキャスティングも違和感無く思わぬ拾い物。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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前世とか輪廻などをキーワードに用いると下手するとチープになりがちなのだが、30年前に起きた大量殺人事件との関連性と言うのが良い。ヒロイン(優香)中心に物語が転じているようで日本映画には珍しくサイドの椎名結平香里奈らの伏線もきちっと活きていて昨今のジャパニーズホラーの割には丁寧に作られている。

舞台となるホテルが外観にミステリアス性が感じられず、内側も学校のような点と、背景となじまずCG然としてしまったのが非常に惜しい。

なんと行ってもボルテージが上がるのは優香が少女ではなく殺人鬼の化身だった!と言うのが観客に解る時。ヒロインのショックと恐怖と悲劇性がモダンホラー臭を伴い観客に伝わり良かった。 また、そこで終わらずに生き残った妻(三條美紀)と子供たちの心霊が、拘束衣で監禁されても、まだヒロインを苦しめるというラストの後味の悪さも良い。

前半の叫び声からして優香の熱演に惹かれたが、「エクソシスト」のリンダ•ブレアばりに後半は白目をむいて小刻みに震えるなどの名演技を随所で魅せ、女優魂全開。そもそも柴咲コウとか中谷美紀みたいに思わせぶりでホラーしちゃう役者より、優香は持って生まれた野暮ったさと憑依されて飛んでる感じがリアルで盛り上げてくれる。

トータルして輪廻や前世にこだわるのは良いとして、あくまで怨霊にとどめるべきであり、ゾンビ的な蘇ってヒロインを追いつめるという展開は蛇足だった。 昭和45年と現在の差異も微妙すぎてボケーとしてると解りづらくはあった。 スクリーンで観るより、真夜中に地上波(レンタル可)で一人で観ると怖さ倍増。

肩に力の入ってない風な雰囲気が逆に完成度を醸す本作を、売れない要素満載なのに無意味に熱唱のエンディングテーマがぶちこわしているのが非常に悔やまれる。

(評価:★4)

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