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[コメント] 泥だらけの純情(1977/日)

深夜にテレビ放送していたので山口百恵の作品を初めて観賞。癖が無く、実年齢より大人っぽく、その眼差しは、どこか冷ややかにも見えるけれど実は一途で純粋と云うように、幾つもの表情をさらりと感じさせ、自然でありながら堂々としている、その存在感と演技力に好感を持った。
TOBBY

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本人の歌が過剰に流れたり、不必要に笑顔のアップがある様なアイドル映画としては作られておらず、きちっと一人の女優が主演した映画として撮られているのに感心した。 原作もオリジナル作品も未見だが、70年代という現在とは異なるサブカルチャーも興味深かった。

三浦友和は真面目で誠実な役柄や、どこかとぼけた役者のイメージが個人的に強かったが、本作にて、チンピラという素行の悪い人間像もきちんと演じ切れており、役者としての器用さを痛感。

大阪永島らサポート陣も達者な演技で、適材適所に登場しては、作品を引き締めており、丁寧な70年代の映画作りにも関心を持った(80年代から一気に粗雑なチープな作品が増えた様に思う)。

後半迄、脚本は、正直予定調和であるものの、それでも飽きずに観られてしまったのは、ひとえに、主演の二人に役者としての資質が備わっており吸引力があったからだと思う。

ラストは70年代らしい悲劇で幕を閉じるが、真っ白な服に大量の鮮やかな血は鮮烈で、それが時のアイドル、山口百恵であるというのを思うと、さらに衝撃的であった。

(評価:★3)

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