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[コメント] リリイ・シュシュのすべて(2001/日)

あまり期待しないで観たので意外に印象に残った。が、限りなく3に近い★4です。評価は田舎の風景や中学生たちの住む彼らの小さな世界を描き出せた部分に対し。勿論、沖縄旅行シーンや苛立つネット画面など蛇足も多い。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ストーリーに関して根底にある主人公の市原準人の視点と、ラストに至る展開は映画として成り立つ。しかし無意味なエピソードや台詞も多くその辺が前半から中盤に集中しダラダラして苛立つ。長いのだしサクサク、もっとカットすれば後半をメインにもっと疑問点の減る作品になったと思うと残念。また14歳を描く際の監督の固定観念が色濃く出すぎたのも鼻につく。援交、レイプは描くにしても、違うでしょ、この演出は・・。エーテル云々の思い入れも引いた・・。しかし結局、作品自体は印象には残った。それは監督のまとめ切れはしなかったが、描きたいという世界観が少なくとも作品から伝わったのと、中学生の空気感を描き出せていた点。雰囲気をニュアンスや曖昧さに逃げてきちんと映像に出せない日本人監督は大勢いるが、岩井監督は少なくともその部分はセンスがある。主演の市原の、どこにでもいそう感と、忍成修吾の思春期の残虐感は巧い。

(評価:★4)

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