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[コメント] ウディ・アレンのバナナ(1971/米)

(TVの深夜放送で見た)実質上のウディ・アレンのデビュー作・・・と、思ってます^^
YO--CHAN

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 本作の(他のでもそうだけど)ウディ・アレンは本当にミジメで情けない。通常、「レジスタンスと共に生活し共鳴するうち、彼の内なる勇気が云々」とか「権力に酔うリーダーを見た時、彼の心に・・・」だとか、「何らかの成長」が描かれるのが普通なのに。

 冒頭は情けなかった主人公が、ラストには心身ともに立派になって幕。子供でも踏まえてるこの定石に、ウディ・アレンは徹底して逆らっているように見える。「成長しない奴」を体を張って演じている。

もしや、これが本作のテーマではなかろーか?

 「そりゃあ、ボクは女の子やちっぽけな幸福を求めるだけのウディ・アレンさ。銃は怖いし、勇気も、政治理論も無いさ。 だけど・・・それがいけない事かい? 勇気を持って自分を変えなきゃダメ? ヘラヘラと愛と平和を求めてるだけで、十分人間は素晴らしいと思うよ」

 ・・・彼はこう言いたかったのではあるまいか。

 この後の彼の作品、特に『カイロの紫のバラ』の主婦の筋金入りの「成長しなさぶり」(笑)を見ていてそう思ってしまう。『ボギー・俺も男だ』と、奮起する作品もあったけど、ここで見たらあれはウディ・アレンの監督作品ではなかったのであったのであった(^^;シラナカッタ・・・ 納得。

 そういえば、「下らない人間にも下らない幸福を求める理由があります」という言葉を残して主人公が絞首刑になる作品が日本にもあったとか。どこかテーマ的に似てる!?

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ナム太郎[*]

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