[コメント] 言の葉の庭(2013/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まあ、不倫は…いかんよね。
監督はそうじゃないと言っておられるみたいですが、雪野が三年女子から警察沙汰になるくらいのいじめをされたことに対して抵抗できなかった、という点と、好き合っている相手に「雪野さんじゃなくて、先生でしょ」と言う唐突な断り方、という2つの不自然な点がこの設定で氷解したので、まちがいないと思います。
だから彼女は「好きだ」と言われた時にはタカオくんを受け入れることが出来ず、 「あなたのことが嫌いです。あなたは最初から嫌な人でした」と言われて、 はじめて、相手の中に飛び込むことが出来た。
「あなたが好きだ」と言うのは恋の告白であり、
「あなたのことが嫌いだ」と言うのは
愛の告白だった。
その瞬間、たとえ彼女が淫乱であろうが、人殺しであろうが、なんであろうが、 “そこに存在している”ということそのものが彼に許された。 この先、もう終わった関係を、タカオが知る必要もないだろうし、 知ったとしてもショックを受けても、そこには愛がある。
このダブルミーニング、アンビバレンツ。境界例っぽいですが、単なる純愛ではない、深みのあるいいクライマックスシーンだと思います。が、 その事で、不快に感じる観客も多いと思うので、 公式では不倫ではないということでおねがいします(笑)。そのものズバリじゃないとしたら、そのあたりの描写が緩すぎてよくわからないです。微妙な設定だとしたらもうちょっと説明を。小説とかのスピンオフで説明されてもちょっととまどいます……
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