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[コメント] フランケンシュタイン(1931/米)

モンスターの手は意外と美しかった。
uyo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ラスト、『えっ?フランケンシュタイン家の坊やは死なないのーー??』と、思った私は悪魔でしょうか(笑)。だってそのためにヒロインを愛するもう一人の男性が居るのだとばかり思っていたのに。

でももちろんこの映画の当の作り手も、当時の観客だって、人類のエゴによって「最先端科学」の力で勝手に作り出されてしまったこの悲劇の怪物に対して、同情しきりだったに違いない。「科学信奉」に対する猜疑心の時代背景が垣間見える。

でも坊やは、その罪の報いは受けないんだー。かえって皮肉ですね。しかもラスト、「フランケンシュタイン家の永遠の繁栄」とかなんとか言って「カンパーイv」と来たもんだ。本心からの描写とは思えない。イギリス流の念の入った嫌みぶ り。

それにしても、ヒロインを始めとする女性達の衣装の美しさは特筆。きっとモンスターも、あのふわふわのベールに惹かれて花嫁の所にふらふらと寄って行ったに違いない(いえ、ホントはちょっとそうとは見えなかったけど、勝手に)。きれいなものが好きそうな子だったから。

人の評論を引用するのもなんですが、冒頭の解説で淀川先生が「文学的、演劇的」とおっしゃってましたけど、うん、確かにとても「舞台的」でした。こんなに舞台的な映画を見たのは個人的には初めてです。

(評価:★4)

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