「アメリカがベトナムを描いたように、フランスはアルジェリアを描かなくてはならない」という強い決意の基に創られた作品だそうだが、成る程米国産ベトナム戦争映画と似たテイストを持っている。

掛かっていた映画館には紹介雑誌の切抜きが貼ってあったが、小さな紹介記事は別として、解説評論は作品の「軍事的ディテール」に言及したものばかりだった。登場した銃が正しかった、とか映画での扱い方が正しかったとか…。俺は映画のリアリティというものは非常に重要だとは思っているし、特に戦争映画ではそうだとも思う。また、戦争映画の感想の中に武器や戦術などに関するものがあっても当然だと思うしそういう興味は自分の中にもある事を認める。しかし、この映画を自分の所で掛けると決めた映画館が、観客にアピールする為に貼った記事がこれしかないというのは非常に悲惨な光景に思われた。それがこの映画の実力なのか、いやもう一寸あるだろう、と考えるのも悲しい。