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[コメント] ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔(2002/米=ニュージーランド)

指輪の魔力は日に日にその力を強める。4.8点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







予告編で圧倒されたぼくは、期間限定つきの招待券が使える日まで待つ事が出来ず、初日に劇場の暗闇に飛び込んで行った。

予告編も見事だったが、そこで白のガンダルフ(イアン=マッケラン)を出してしまったのは少し残念。

何度も目が潤んだが、涙が流れたのは以下の2シーン。

先ず、都を捨て流浪の民となった国王セオデン(バーナード=ヒル)の一行へオークの追っ手が迫ったため、ローハンの兵士たちが踵を返して迎え撃ち、民を逃れさせる場面。エオウィン(ミランダ=オットー)らは無事ヘルム峡谷まで逃れるけれど、現実の歴史の中では似たような襲撃に遭い根絶やしにされた民族もいただろう。そのことに思いが及んで涙が出た。

今ひとつは、荒野と化したアイゼンガルトの森に呆然とした木の鬚が、仲間のエントを集めオルサンクの塔ヘ急襲を掛けるところ。木の鬚の「儂らはこれで滅びるかも知れぬ。エント最後の行進じゃ」という科白を聞いたら涙が溢れ出た。

市井のひとサム(ショーン=アスティン)が呟く。「勇者サムか・・・へへっ(それもいいナ)」彼の行いに、真の友情とは何か、心底考えさせられた。

ヘルム峡谷の攻防は、日本人のぼくには背水の陣・赤壁の戦いなど中国の歴史を連想させた。こんなに時間を切りつめた映画なのに、サムとゴラム(アンディ=サーキス)の料理談義を捻じ込んでいて思わず爆笑。

フロド(イライジャ=ウッド)もアラゴルン(ヴィゴ=モーテンセン)も佳いが、とにかくこのスケールこの人間観察、この歴史観、原作への畏敬・配慮、観客への妥協のなさ、これは「最高のファンタジー映画」と言うよりファンタジーを越えてしまっている。

(評価:★5)

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