違った。

友情をメインに描かれているわけではなく、友達というありかたをわからなくしてしまった二人の男を中心としたやりきれない物語であった。

二人がたどり着いた場所、そこは自分たちで意図してきた場所ではなく、 ただ流されてたどりついたそれぞれの場所。

ラストシーンのように一つの浮き輪に４人が掴まっていれば、 「遠くまで来てしまった。これ以上行くと戻れなくなる」と気がついたときに 皆で戻れたのに、４人はバラバラになってしまったので、違うところに流れていってしまった２人の友達を連れ戻せなかった。 友情、絆、そういったもので強く結ばれていると実感させてもらえなかったので、 最後のシーンでのやりとりも、「しょうがないよね」としか思えず、終始感情移入できずじまい。

友情と絆で結ばれたもの同士が、引き裂かれていく話を期待して泣く気満々だったので、 ただやりきれない思いにだけ涙することはできず、 結局、「ああぁ、もう戻れなかったんだね」 そのことだけしか伝わらず、残念ながら俺には後味の悪さしか残らなかった。 勿論、このどうにもやりきれない話に涙する人がいることも理解する。 そういう方には参考にならない点数です。