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[コメント] 蛇イチゴ(2002/日)

蛇いちごに至るまでの紆余曲折が、今の時代を写していますね。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画を見てまず思ったことは、この見せ掛けの家族。この家族が崩壊する瞬間です。これを他人事としてみることはとてもできません。

実は、私も今まさに家族と冷戦に突入しているときでありまして、つい少し前までは、この家族のように和やかな家族を演じていたんです。しかし演技はいつまでも続きません。舞台の緞帳が降りるように、いつかは家族である瞬間が終わる、というエピソードに至るまでのこの映画が実にリアルに感じられました。

西川美和監督の作品は、のちの『ゆれる』と『ディア・ドクター』を鑑賞した後、本作に接したわけですが、彼女が是枝監督の弟子として培われた自然な表現手法はここでもかなり上手に使われていましたね。

この主人公である兄の登場でドラマは急変してゆきますが、その詐欺師の兄の不思議な存在が一気にドラマの中心となってゆくあたりの語り口も見事ですね。

妹が兄のことを警察に通報して、家に帰ると蛇いちごがテーブルに置いてあります。

そのキラキラ輝く蛇いちごの美しさに、感動してしまいました。

2010/01/30(自宅)

(評価:★4)

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