[コメント] TAKESHIS’(2005/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
別に嫌いな映画ではありませんし、いかにもタケシさんらしい映画といえば映画なんでしょうが、見続けることが辛い映画でもありますな。
どこに飛ぶかわからない。
つまりはタケシさん自身ということなんでしょうね。
だからタイトル通り、ということ。
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あらためて見直して、3→4にしました。
理由は、冷静に映像を見ていると、映画らしくなっていることに気づいたからです。
演じることと想像することが混在するこの映画で、二役を演じるたけしさんの苦悩の顔が実に印象的です。
たけしさんがお笑いで突っ走っていた頃なら、こんなシャイな演出はしなかったと思います。
もともとたけしさんはシャイな方だと思うんですが、若い頃から人気者でちやほやされて、そんな自分を振り返ると、映画(芸人)と本来の自分が混ざり合って判別できない状態なんだということが伝わりますね。
冒頭、廃屋で倒れる軍服を着たたけしさんは、『戦場のメリークリスマス』で演じた原軍曹ですね。彼が映画の世界に入った頃のことがここで示されますね。
そして銃撃シーンは『その男、凶暴につき』ですし、音楽やセリフがないシーンは『あの夏、いちばん静かな海』ですし、『菊次郎の夏』を思わせるシーンもあるし、いずれもたけしさん自身なんですね。
笑いを取ろうとか、はちゃめちゃにしようとか、そういう彼の自意識が映像の中で次々と破壊されてゆく経緯が伝わる秀作だったと思います。
恐れ入りました。
2010/06/21 自宅
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