[コメント] 大統領の陰謀(1976/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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はじめてこの映画を見たのは日比谷の映画館だと思うが、何しろ大統領の陰謀である。わけもわからず見た記憶がある。
結局この映画に大統領は出て来なかったが、その周辺に潜む見えない陰謀が映画に描写されていて、とても怖かった印象が残る。
情報をリークする人物へ少しずつ接近してゆく話の流れがサスパンスフルで実に面白かった。
ただ、映画館で見た字幕は、新聞社の社屋の蛍光灯にかき消され、話そのものは全くといってよいほどわからなかった。
しばらくしてテレビで吹き替えされた映画を見て、その中身をようやく理解した思い出の作品だ。
アラン・J・パクラは政治的な映画を撮らせたら最高の技を披露できる数少ない職人映画監督だ。この映画も細部まで丁寧に作られて、良くできた作品だと思う。
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BSで放送されているのを再見しました。
とても迫力のある素晴らしい作品でしたね。
何よりも二人の記者の執着心とジェイソン・ロバーズ演じる編集長の迫力が凄いですね。
仕事ってこうでないといけないんだなぁと思いました。
この映画が色あせないのは、アメリカ合衆国という国の報道に対する自信と、報道する側のデリケートで緊張感のある判断がリアルに表現されているからだと思います。報道は所詮民間会社の行うこと。相手は政治です。その内容がゴシップで終わるようであれば、報道側の信頼は大きく損なわれます。このギリギリのところでせめぎ合いがとてもリアルでした。
しかも、当時はネットもない。電話も黒電話です。録音機器もないし、すべてメモ。メモだけが真実だったんですね。裏証言にしても、その真実を証明することの難しさを、今からは想像できないほど愚直に表現していましたね。
とても素晴らしい作品だったと思います。
2009/02/28
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