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[コメント] ハート・ロッカー(2008/米)

アメリカの正義か?
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







地獄の黙示録』をロードショーで見た(確か有楽座だったと思いますが)ときの感覚に似た印象を覚えました。

あちら(『地獄の黙示録』)はベトナム戦争。こちら(『ハート・ロッカー』)イラク戦争。

戦争で景気を浮遊させる国アメリカ。『華氏911』あたりでドキュメントされている事実は妨げようがありませんが、ドラマとして見せることはしていません。

しかし、これでもか、これでもか、というほど、アメリカという国は戦争が大好き。

そして戦地に赴いている戦士たちももちろん命がけで、1日でも祖国へ帰りたい。(だったら最初から行くなよ、)そんな若き戦士(兵士)たちが、任務を終え実際に祖国へ帰ると、しばらくして戦場の刺激が忘れられなくなる。

戦場でワルツを』で、その戦火の生々しさをアニメから現実に引き込むラストシーンの衝撃を思えば、この映画は茶番ですよね。

戦争を犯す側の正義が果たしてどこまで映像化できるのか。そこにはきっと『地獄の黙示録』でウィラード(マーティン・シーン)が見た「狂気」なんだと思います。

この麻薬のような戦争をハンディカメラで追うスタイルは、臨場感たっぷり。

アメリカのアカデミー会員がこの映画を作品賞に押し上げた理由は、同年に賞を独占した、この作品の監督の元夫(ジェームズ・キャメロン)の『アバター』ではなくて、こちらだった、というところにドラマ性を感じました。

冒頭チョイ役で出てくるガイ・ピアーズや、砂漠で遭遇してすぐ射殺されてしまうレイフ・ファインズなど、お気に入りの役者がチョビチョビ出ていることろにも魅力を感じました。この設定は重要です。

地獄の黙示録』のロバート・デュバルデニス・ホッパーに当たる役柄ですよね。(ハリソン・フォードも出てました。

緊張感たっぷりな戦場体験ができました。

2010/10/12 自宅

(評価:★4)

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