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[コメント] 孤高のメス(2010/日)

やっぱり演歌だよねー
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







というのはウソ!

演歌大嫌いです。

大嫌いだけど時々聞いてしまうのは、やはり日本人だからでしょうかね?

しかしこの映画、思っていたよりよかったと思います。

宣伝ポスターの堤真一の姿(マスクしたやつ)が、なんとなく田宮二郎さんとダブりました。『白い巨塔』ですね。懐かしいですね。

そんな「財前五郎」(=田宮二郎)をイメージしたせいか、映画の堤真一さんがあまりにもいい人で魅力的なものですから、やや腰砕けな感じでした。

それにしても、この外科医のあまりにもかっこよさがこの映画全体を支配していて、その魅力に演歌好きというエピソードなどを交えたり、なかなか巧妙に作られていますよね。

原作もすばらしいだと思うんです。

ですけど、子連れの看護婦(夏川結衣)目線で見るこの外科医が本当にかっこよすぎて、そこだけ違和感を覚えました。

でも映画全体としてはとても魅力的な作品だったと思います。

主人公が魅力的だと映画って惹きつけられますね。

ただ、映画としての冒険が不足していたのと、映画(映像)そのものの魅力にはやや乏しい作品でもあったと思います。

手術で内臓を写すシーンというのが、この映画の最後の方でとても効果的に使われていてリアルではあるのですが、その印象が映画全体を押し出すような迫力に欠けていた。

えてして脚本家が映画を撮ろうとするとき、どうしても物語をスクリーンの枠内に収めようとする意識が勝ってこうなってしまう場合が多いのですが、この監督も脚本家としての力量で映画を作っていますよね。

身近な方だと宮藤官九郎さん(まぁ彼の場合は役者としての才能も高い方ですが・・・)や古くは新藤兼人さんとか、もっと古い人だと伊丹万作さんとかね。一流の監督が脚本家であることは否定しませんが、脚本家として映画監督の才能を開花させた方ってのはそんなに多くありません。

そういう意味では、この作品の監督は無難な映画を撮ったんだろうと思います。

2010/12/17 自宅

(評価:★4)

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