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[コメント] 飢餓海峡(1965/日)

もともと内田吐夢という監督は、しっかりした原作を脚色できる日本映画界を代表する厳格な監督である。晩年の名作には、その後の松本清張横溝正史らが映画化される刑事もののきっかけを生み出している。
chokobo

水上勉の原作には常に土着性や地域性が反映されていて、この作品にもみちのくの香りがたっぷり漂っている。

そして内田吐夢の厳格な演出によって飛躍的にこの作品が風格を持つことになるのだ。

日活から東映へ移籍することで、内田吐夢の作風は明らかに変遷を重ね、晩年のこの作品で老いて枯れる刑事役に自分を投影しているようにも見える。

三国連太郎の演技も秀逸である。この海峡のラストシーンは時代とその時の現実がうねるように横たわっているのだ。

(評価:★4)

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