[コメント] レイジング・ケイン(1992/米)
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この人、実はハーバード大出の秀才です。
だから、こういう映画のような下賤な世界で活躍するような方ではないんでしょうね。とても品のある方だと聞きます。しかも欲張らない。
しかしこの映画ではお腹いっぱいになるほどのすさまじい演技力を披露しています。
それからやはりブライアン・デ・パルマ監督のタッチと申しますか、彼独特の世界が広がりますね。
最近の映画ではあまり見なくなってきな極端なクローズアップ。
この接写が見事に生きていますね。
そしてジョン・リスゴーのめまぐるしい演技。
このころのパルマ監督は『アンタッチャブル』とカリートの道』あたりを境目に、かならずしもホラーサスペンスにこだわらない姿勢を感じますね。
私としては『殺しのドレス』とか結構好きな作品なのですが、本作もあの作品と共通する手法を用いていますね。
多重人格もここまでくると手がつけられないような恐怖を感じますが、クライマックスの演出では、そうした内容の詳細を一気にドラマチックに描いていまして、このあたりはさすがです。
抱えていた子供が落ちそうになる、それをぎりぎりで拾い上げる、みたいなシーンはいかにもパルマタッチでしたよね。
多重人格ものでは、この作品の前に『真実の行方』と『絞殺魔』という映画を見たのですが、いずれも背筋が凍るような作品でした。
タッチでいえばこの作品がもっともエンターテインメント性が高いかもしれませんね。
2010/11/26 自宅
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