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[コメント] アルカトラズからの脱出(1979/米)

(05・8・05)
山本美容室

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 脱獄映画の中でも特別な渋さを放つ逸品だ。クリント・イーストウッドが渋い。コレは当然としてだ。アルカトラズ刑務所に送られてからの個性的な男達がイカしている。リトマス(フランク・ロンツィオ)は食いしん坊だが憎めない男だ。イタリア系らしくパスタが「夢に出てくるぐらい大好き」でネズミを相棒にしている。

 ドク(ロバーツ・ブロッサム)絵描きである。所長 パトリック・マッグーハンから絵を描く特権を取り上げられて工作室で指を切ってしまう。ウルフ(ブルース・M・フィッシャー)同性愛者でシャワー室でイーストウッドに殴られて石鹸を口に押し込まれた事を恨んでいる。

 パトリック・マッグーハンへの反抗のモチベーションが高まってくる。昨今の映画なら音楽で盛り上げる所でもドン・シーゲルは音楽は全く使わない。図書係の黒人イングリッシュ(ポール・ベンジャミン)との会話の最後に“BOY”と付けるのが『マンハッタン無宿』を連想させて渋い。(あの映画は“ARIZONA”かなんかだったかなぁ)最後の握手は泣けるぜ“BOY”

 人形とイーストウッドがすりかえられていて、看守が人形に手を伸ばしたら…という手に汗握るシーンがある。この映画は例によってTVの洋画劇場で見たのが最初だが、ドキドキ感は色あせていない。ラストの首人形が、まんまと脱獄された所長を笑っているようで印象な作品だ。

(評価:★5)

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